イタリアは日本と同じく、国土が南北の縦に長い国です。つまり北部と南部では全然気候が違うのです。日本に例えると、北海道と沖縄の気候が全然違うと言えば、ピンと来るはずです。そんな気候が異なるところで作られたワインが、異なった特徴を持ってくるのは、当然な感じがしますよね。だってワインの出来は、その年のぶどうの出来具合にされることは有名ですし、そのぶどうの出来は天候によって左右されるのです。つまりワインの出来は気候で異なるのです。そんなことで、ここでは北部・中部・南部という大きなくくりで、そのワインのおおざっぱな特徴を紹介していこうと思います。
北部地域
イタリアワインの雄バローロや代表的白のガヴィやスプマンテのアスティなどを生産するピエモンテ州、こちらも代表的白のソアーベや伝統的製法で知られるアマローネなどを生産するヴェネトなど、北部では数々のスター選手を有しています。特にピエモンテのバローロやバルバレスコは、世界のワインマーケットでも高い評価を獲得しており、イタリアワインの中にあってもとても高価で取引されています。高価なワインだけではなく、ピエモンテ州のバルベラ・ダルバなどのバルベラ種を使ったワインやヴェネト州のヴァルポリチェッラやロンバルディア州のフランチャコルタなどの、品質が高く比較的お手頃なワインも数多くあります。、また隠れた北部の良質のワインの産地としてトレンティーノ=アルト・アディジェをあげることができます。ラベルにはドイツ語による表記がなされていて、いったいここはどこの国?と思いたくなる地域ですが、ワインに関してもあまりイタリアっぽくないようなワインを生産しています。カベルネ、メルローといった外来種を使って安価で高品質のワインを生産しています。かなりお買い得感があるワインが多いです。
北部地域ののワインの特徴としては、全体的に洗練された、繊細な、上品な、印象の強いワインが多い感じがします。
中部地域
高級ワインのブルネロやスーペルトスカーナ、庶民的イタリアワインの代表キャンティなどを生産するトスカーナ州に代表される中部地域もまた、北部と同様に多くのスター選手を抱えています。Super VdTを生み出したトスカーナ州は新しいイタリアワインの発信地でもあり、その勢いは今でも衰えるこなく、積極的な外来種の採用を行ってみたり、イタリア種のサンジョベーゼの高品質化を計ったりと、さまざまな試みが行われており、新しいイタリアワインの形が次々と登場し、いっそう世界からの注目を浴びています。特にブルネッロ・ディ・モンタルチーノやスーペルトスカーナは世界マーケットにおいても高価格で取引されていますし、その価格も年々高くなってきています。(このあたりは何とも迷惑な話ですが。。)トスカーナ以外にもウンブリア州では、二種類のDOCGワインや庶民的な白ワインであるオルビエート・クラッシコが生産されていたり、マルケ州においてもDOCGワインこそなくても良質のDOCや価格的にも内容的にもSuper VdTと位置付けられるようなワインが生産されていたりと、よいワインが近年生産されています。 また、首都ローマを有するラツォオ州の庶民的白ワインEst!Est!!Est!!!なども有名ですね。
中部地域のワインの特徴は、芳醇な、自然な、洗練された、深みある、印象があるワインが多い感じがします。
南部地域
世界のワインマーケットにおいては、多くのスター選手を抱える、トスカーナやピエモンテの二つの州を有する北部や中部が注目されている一方で、スター選手不在の南部の方は、今まではあまり脚光を浴びていませんでした。しかし南部でもシチリア州やプーリア州の二つの州は、もともと生産量が全国的に見てもトップレベルと多い上に、近年この地域におけるワイン生産設備が急速に近代化されてきた結果、非常に良質のワインが生産されてきています。またこのような生産設備面に加えて、本来プーリア州では黒ぶどうではネグロアマーロ、プリミティーボなどの白ぶどうではトレッビアーノガリョッポなどのぶどう品種が、シチリア州では黒ぶどうではネッロダーボラなどの白ぶどうではトレッビアーノやカタラットなどのぶどう品種が、つまりイタリア品種が醸造に主に使われていましたが、近年黒ぶどうではカベルネ・ソーヴィニオンやメルローなどの、白ぶどうではシャルドネイなどの外来品種がかなり取り入れられるようになってきたことが、更なるワイン研究体制の向上、さらには品質の向上に拍車をかけたようです。それに伴い世界マーケットにおける評価も赤丸急上昇です。今はまだかなり安価で手に入れることができるので、かなりお買い得であるといえます。
南部地域のワインの特徴は、とてもドライ、野性的な、果実感あふれる、凝縮感ある、とにかく「地中海のさんさんと輝く太陽の光をたくさん浴びた南部のパワーいっぱい」こんな印象がするワインが多い感じがします。
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