日本での事前準備

 日本でやったことは、とにかく沢山あり、今回のイタリア挙式の中では一番大変でした。自分たちでやろうと決めた以上、旅行代理店には頼みたくない。勝手の分からない中で、イタリア大使館には何度も行って、外務省にも問い合わせをしたりと、色々やって(色々失敗して)やっと準備が出来ました。ただ大変だったからこそ、成し遂げたときの満足感・充実感は旅行代理店にまかせきりにしたときよりも、はるかに高いものです。ここではその一部をご紹介します。

ヴェッキオ宮殿の予約
 我々は結婚式の日程の予約をイタリアの友人にお願いしました。なぜならイタリアって結構コネ社会なので、その方がスムーズに事が運ぶと思ったからです。でもそうして大正解でした。日本人(を含めた外国人)が挙式を上げられる曜日は、水曜日と木曜日なのですが、彼のおかげで土曜日にを予約できました。やっぱり家族を呼ぶにしても、仕事のある人もいますから週末の方が呼びやすいですから。
 一度予約してしまえばこっちのものです。その後、予約確認や準備している書類の過不足にの問い合わせなどは、こちらから直接ファックスでやりとりしました。やりとりは英語でも大丈夫でした。まあそんな大したことを書くこともないですからね。ここの段階で結婚式を行う四日前までにフィレンツェ市役所で手続きをしなければならないことを知り、早めのフィレンツェ入りをしました。何処に出頭すればよいかとかもファックスで教えてくれました。

必要な書類
 ヴェッキオ宮殿での挙式は、いわゆるフォーマルウェディングなので、日本の市町村役場や官公庁から発行される次に記す三点の書類が必要になりました。
『戸籍謄本』・・・・・・・・本籍のある市区町村役場より発行
『住民票』・・・・・・・・・現在住民登録されている市区町村役場より発行
『婚姻要件具備証明書』・・・本籍のある市区町村役場又は各都道府県の法務局より発行

 戸籍謄本とか住民票なら聞いたことあるが、婚姻要件具備証明って何??と思いましたが、実は『未婚証明書(未婚であることを法的に証明する書類)』のような書類です。ヴェッキオ宮殿で結婚するということは、イタリアの法律で結婚するということなのです。そして、イタリアの民法で結婚するためには、二人が未婚であることが必要(あたりまえか!)なので、この書類を用意しました。
なおこの書類を取得するには婚姻に関係する二人の戸籍謄本が必要でした。

外務省での手続き
 外務省でやってもらったことは、『必要な書類』で集めた三種類の書類に「公印証明」をしてもらったことです。公印証明とはどうやら、必要な書類で集めた書類が間違いなく日本の法的に正しい書類、有効な書類であることを、外務大臣名で証明してくれることのようです。ですから、公印証明にこれらの書類を出すと、印鑑が押されて戻ってきました。
 ただし、婚姻要件具備証明書についてはアポスティーユ証明をとりました。なぜだかハッキリした理由はわかりませんが、婚姻要件具備証明書だけはアポスティーユ証明をとった方がいいとアドバイスをしてもらったものですから。
 イタリアで結婚するのですから、外務省で国際的に有効な書類であるという事を証明してもらう必要があるのでしょうね。何か変に納得してみたりした。

必要書類のイタリア語への翻訳
 そろえた三点の書類に「公印証明」と「アポスティーユ証明」をもらった後に、今度はこの書類を日本語からイタリア語に翻訳しました。そんなにボリュームがあるわけでもないので、翻訳は結構早くでき上がりました。
 ちなみに我々はイタリア語の翻訳会社なんて知らなかったので、イタリア大使館に問い合わせて紹介してもらいました。そして何件か紹介してもらったところ全部に電話して、一番安かったところに翻訳をお願いしました。

イタリア大使館での手続き
 これまで揃えてきた『戸籍謄本』『住民票』『婚姻要件具備証明書』三点の書類に外務省で公印証明及びアポスティーユ証明を受け、それをイタリア語に翻訳し終わった後に、これらの書類をイタリア大使館に提出して翻訳証明をお願いしました。
 そしてその時に結婚するためには、立会人二人を含めた四人がイタリア大使館員の前でもう一点の書類に署名することが必要であることを教えてもらいました。そのために後日両家の母親と一緒にイタリア大使館に出かけました。
 ここで、結婚する二人の身分証明書はもちろん、立会人となってくれる人の身分証明書を持っていくことを忘れないようにしましょう。しかも、この身分証明書は「写真付き」でないとダメだそうです。実際一度健康保険証を持っていってダメだといわれてしまいました。二度目にいったときは四人でパスポートを持っていき、それでオーケーが出ました。因みに大使館で署名した書類は「DICHIARAZIONE SOSTITUTIVA DI ATTO DI NOTERIETA」というものでした。
 翻訳証明や、署名した書類に証明してもらうために、全部で三万円くらいの費用がかかりました。もし自分で手続きする人はお金も忘れないようにして下さい。

これでやっと日本での手続きは終わりになりました。後はイタリアに行って手続きするだけとなりました。とはいっても、実際に出来るのかどうかは最後までちょっとした不安は残っていました。ですから、これで書類が全部そろっているのかを、式場のリコンファームのついでにフィレンツェ市役所にファックスして問い合わせてみたりしました。なんせ僕等のまわりには前例がいなかったので...。

日本での書類の準備は以上で終わりましたが、イタリアで挙式を上げるに当たっていろいろとやったことが手配したことがあるのでそのことを紹介します。

通訳兼コーディネーターの手配
 式はイタリアの民法に則って行われるために、イタリア民法がフィレンツェ市の代表者によって朗読されます。それを日本語に訳してくれる人が絶対に必要です。そのために通訳の手配を日本にいる内に行いました。またその人は通訳だけでなくコーディネーターとしても色々とお願いして、式後のレセプションの場所の選定やその手配、ヘアメイクさんの紹介など色々とやってくれました。いくらフィレンツェに知り合いがいるとはいえ、基本的には不案内なところなので、コーディネーターの方のアドバイスには本当に助けられました。

ホテルの手配
 式当日には花嫁の着替えやヘアメイクをする都合があったので、結婚式の前後の日だけスィートルームを準備しておきました。あとリムジンを頼む都合があったので、ホテルの前にリムジンが止まれるくらいのスペースがあるホテルを予約しました。そのようなホテルって、フィレンツェは意外と少ないものです。ちなみに我々が泊まったのは、フィレンツェ駅前にあるグランドホテル・バリオーニです。他の部屋はわかりませんがスィートは結構良かったですよ。屋上からの眺めも良いですし。

新婚旅行の手配
 さて折角イタリアで結婚式を行ったので、その後の新婚旅行はもちろんイタリアにしようと思っていました。始めから思っていたことは、とにかくリゾート地に行こうと思っていました。色々と悩んだ結果、我々はサルディニア島に行くことにしました。日本で手に入るサルディニア島に関する情報は非常に少なかったので、イタリア政府観光局に行ったり、イタリアの友人に質問したりと、ホテルを決めるのは一苦労でした。
 でも結局、問い合わせのファックスを沢山だしてその中から最も対応が良かったホテルに決めました。

その他にやったこと
 もちろん他にも色々やったこと、やってもらったことは沢山あります。例えば、カメラマンの手配とかヘアメイクの手配とかリムジンの手配とかレセプションの用意とか着ていく衣装の手配とか....。でもこれらのことは結構コーディネーターの方や友人の協力でやってもらったりしてしまいました。ちなみに我々は衣装は日本から持っていきました。それぞれが一番気に入ったドレス、スーツを持参したのです。

 もしここに書いてあることを自分たちの参考にしようと思った人がいたら、書類は十分参考になりますが、式やレセプションなどその他の手配は、自分たちでもっと色々考えてオリジナリティーのある結婚式にして下さい。

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