ヴェローナを知らなくても、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」という物語の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。そう、ここヴェローナは「ロミオとジュリエット」のモデルになった家があるという事でとても有名です。今もジュリエッターの家を訪れる観光客のは絶えることがありません。さすが恋愛に対する人々の関心・パワーといったものは、万国共通のようです。ちなみに上の写真は、ロミオとジュリエットが愛を語り合ったかの有名なバルコニーです。
何といっても、ジュリエッターの家
やはりヴェローナに来たら、ここジュリエッターの家(Casa di Giulietta)は外せないでしょう。ヴェローナを訪れる観光客のほとんどがここを訪れるのではないかと思うほど、この辺りは賑わいを見せています。
私はジュリエッターの家に訪れる前は、さぞかし立派なお屋敷で、庭が広くて、門から5分くらい歩かないと建物にたどり着かなくて、噴水があったりして、バルコニーも宮殿のように立派で、そのそばにはロミオが登った大きな木があって、と勝手に想像をしていたので、実際に訪れてみるとちょっと拍子抜けしてしまいました。だってどこにでもあるような感じだったのですもの。おおぉ、ちょっと脇道にそれてしまいましたので、本題に戻りましょう。
ジュリエッターの家は、全体的にとてもこじんまりした感じでした。こじんまりとした庭には多くの観光客が、ジュリエッターがロミオと愛を語り合ったというバルコニーを見上げていたり、ジュリエッター像と一緒に記念写真を撮ったりしています。ちなみにジュリエッター像を見ると、右胸だけが金色に光っています。これは『右胸に触ると、幸せな結婚が出来る』といわれているからです。更にジュリエッターの家には入ることが出来ます。ただし入場料がかかってしまいます。家にはいるとバルコニーから顔を出すことが出来るので、複数で行ったときには誰かに残っていてもらい、バルコニー上にいる記念写真を撮ることも出来ます。
また庭に入る壁には世界中からの落書きで埋め尽くされています。恋愛にまつわるこの様な行動は万国共通ですね。
夏の風物詩、野外オペラ
町の中心部にあるアレーナ(Arena)では、7〜8月の間に野外オペラが上演されています。ミラノのスカラ座などの様な重厚感はないにしても、漆黒の夜空の下で大規模な舞台セットを利用したオペラもどうしてなかなかの迫力があり、もはや芸術を越えた一大スペクタクルのようです。ちなみに開演前の様子はこの様になっており、また舞台セットの規模はこの様でもあり、またこんなでもあります。セットの規模の大きさは手前の柵や、後ろに見えるアレーナと比較すればその大きさがわかるでしょう。
演目は、アイーダ、蝶々夫人、カルメンなど、日替わりで上演されます。チケットは旅行代理店を通じて入手しても良いし、アレーナの切符売り場で購入しても良いし、インターネットで予約しても良いと思います。インターネットでのアレーナの公式サイトは「リンク」で紹介していますので、オペラ鑑賞を検討されるならば、一度は行かれてみてはいかがでしょうか。またチケットはないんだけれど急に見たくなったという人は劇場の周りにいるダフ屋を利用する手もあります。ただしダフ屋と交渉するためにも、チケットの値段はきちんと把握しておきましょう。そうしないとぼったくられてしまうかもしれません。ダフ屋利用の際はくれぐれも「カモ」にならないよう、気をつけて下さい。なお座席は、日本風に言うとアリーナ席とスタンド席の大きく二種類に分かれています。更にこれらでも場所によって値段が変わってきます。もし鑑賞する機会に恵まれるならば、是非アリーナ席の一番前の方を確保したいものです。それでも日本でオペラを見ることを考えたら破格の値段で鑑賞できますから。
それからおみやげといっては何ですが、入り口を入ったすぐのところにあるバールになりますので、 是非スプマンテを飲みましょう。スプマンテは『アレーナ刻印』の入った特製グラスで飲むことが出来ます。グラス自体は安物ですが、思い出に是非「頂いて」きましょう。
ちなみに野外オペラだけあって、雨の時は当然やりません。開演しても一旦雨が降り出せば、休止するし、やまないと判断をすればオペラ自体が中止になってしまいます。
ヴェローナの教会を見てまわろう
ヴェローナは結構狭い中にたくさんの教会が建っています。そのためまわろうと思えば、一日で十分に見てまわることが出来ます。しかも徒歩でです。ただ、教会の割にはお金を取るのですが、共通券というのがあり、それを利用すると割安に全ての教会を見てまわることができます。
先ず行きたいのところは、ちょっと町の中心部からは離れているのですが、サン・ゼーノ・マッジョーレ教会(San Zeno Maggiore)でしょう。中心部から離れているので観光客の喧噪からちょっと離れやや静かな感じがします。この教会はイタリアの中でも有名なロマネスク様式の教会で、青銅製の正面扉、内部のフレスコととても価値ある品が多く存在しています。またサンタナスターシア教会(Santa Anastasia)はゴシック様式で、ヴェローナで最も大きな教会です。またサンタナスターシア教会のそばに立っているドゥオモ(Duomo)や、サン・フェルモ・マッジョーレ教会(San Fermo Maggiore)は、ロマネスク様式とゴシック様式の混合様式の教会です。何と私はこのサン・フェルモ・マッジョーレ教会で「お葬式」を見てしまいました。とりあえずひんしゅくを買ってはいけないので、端っこでひたすらじっとしていました。何でお葬式を見たのかというと、教会の共通券を買った窓口のお姉さんに「明日セレモニーがあるから行ってみなよ。」といわれ、素直に行ってみたら、何とお葬式だったのです。びっくりしましたが、そのまま見続けてしまいました。
中世の権力者スカリジェレ家
中世ヴェローナの権力者スカリジェレ家にまつわる建築物をまわってみました。一つは、ヴェローナの街中を蛇行しているアディジェ川沿いに建てられた、カステルベッキオ(Castel Vecchio)です。カステルベッキオは14世紀にスカリジェレ家のカングランデ二世によって建てられた、中世ヴェローナの代表的な建物の一つです。現在この建物は「市民美術博物館(Civico Museo d'Arte)」なっており、内部にはヴェネツィア派やヴェローナ派の絵画などが展示されています。そして、このカステルベッキオからアディジェ橋に架かる橋がスカリジェロ橋(Ponte Scaligero)です。スカリジェロ橋からの眺めはなかなかのものですよ。
そして、この建築物を作りヴェローナをかつて統治したスカリジェレ家お墓として建てられたのが、スカリジェレ家の廟です。シニョーリア広場の程近くにあるこの廟は、スカリジェレ家の紋章の階段を型どった鉄の柵で囲まれています。ちなみに廟の内部には入れませんので、外部から見学しましょう。形を見るならそれで十分です。
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