ガッルッツォの町 全都市表示 サイトマップ トップへ

ガッルッツォ

 フィレンツェの南、イタリアを縦断する高速道路A1のフィレンツェチェルトーザのあたりにガッルッツォは位置しています。高速の出入口があることやシエナ方面の準高速道路の起点があるために、現在では交通の要所として、自動車の交通量がとても多い地域でもあります。
 しかしそのような現代的な側面とは相反するような姿が、実はガッルッツォの本当の顔であり、その象徴的存在がガッルッツォ修道院です。高速道路の出入口の名前にもなっているように、フィレンツェ修道院やヴァル・デルナ修道院などと呼ばれています。

ガッルッツォ修道院
 フィレンツェS.M.N駅から37番のバスにゆられること30分。カッシア街道沿いのオリーブと糸杉に囲まれた小高い丘の上にガッルッツォ修道院(Certosa del Galluzzo)を見つけることが出来ます。この修道院は、1324年、フィレンツェの商人ニッコロ・アッチャイウオーリの寄進によって建設されたことに起源を発するとても古い修道院なのです。
 見学するためには、先ず指定された時間入口に集合します。そうすると、ここの修道僧が修道院の見処を説明しながら案内してくれます。ちなみに説明はイタリア語・英語・ドイツ語という感じで、1人の修道僧が同じ内容を様々な言葉で説明してくれます。この修道僧がすごいのか、それとも布教のために多くの修道僧が様々な言葉を勉強しているのか?どちらにせよ、おそるべし修道僧!

 入口の階段を上ると、14世紀に建てられたゴシック様式の学舎(Palazzo degli Studi)で、現在は絵画館として利用されているところにつきます。ここにはポントルモのフレスコ画による五枚の大型リュネット「キリストの受難(Passione)」があります。このフレスコ画はもともと修道院の回廊にあったらしいのですが、保存のためにこの絵画館に移されたようで、ガッルッツォ修道院の最初の見処となっています。

 ここを通り抜けると中庭に出ます。そしてこの中には、この修道院の中心的存在であり、修道院の入口となっているサン・ロレンツォ教会(San Lorenzo)があります。大きな門をくぐった中は礼拝堂となっていて、そこには修道僧用と助修士僧用にわかれた祈祷席があります。祈祷席の椅子は木製で、16世紀に作られたものだそうです。そしてこの礼拝堂からは、地下埋葬所に続く通路があります。埋葬所には、この修道院の建設に援助をしたニッコロ・アッチャイウオーリの石棺と14世紀のアンジェロ枢機卿の墓碑が安置されています。

 ここを過ぎるとまた地上に戻り、すると次に見えるのは面会室(Parlatoio)です。ここにある16世紀のステンドグラスは、高名なデッラロッビアの工房の作品であり、見るとそのすばらしさで圧倒されてしまいそうです。面会室を出ると、16世紀のたたずまいのままの小さい中庭(Chiostrino dei Monaci)をがあり、ここを通り過ぎると参事会員室(Capitolo)があります。参事会員室の中には、マリオネット・アルベルティネッリ作の「キリストの十字架像」が飾られています。

 次は大中庭に出てきます。この中庭は大中庭というわけありとても大きく、その大きさに加えてきちんと整えられていることにとても感動しました。緑豊かな庭と白色を基調とした建物の色、さらには白地に青色で装飾されたテラコッタが彩りを添えており、こんな片田舎の修道院とは思えないすばらしい空間を作り出していました。ちなみに回廊に飾られた66体のテラコッタ像は、前出のデッラロッビアの工房の作品です。目を下に移すと、回廊の床にはこの修道院にゆかりのある人々の墓碑があります。この大中庭に面して、修道僧達のリビング寝室といった個室が配置されていました。

 そしてこの修道院も、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノベッラ教会やサンミニアート教会などと同じように入り口付近に昔ながらの売店があり、ここで自家製のハチミツやジャム、ウォッカなどを購入することが出来ます。因みにここで、7,000リラのブルーベリージャムを買ってみました。さすが修道院で作っているだけあり、材料はブルーベリーと砂糖だけの無添加です。食べてみると素朴で本当においしいジャムでした。

本サイトに掲載されている画像や文章など、全てのコンテンツの無断転載及び引用を禁止します