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バルバロ山の山頂から斜面にかけて様々な建造物が残されているセジェスタ。特のその斜面に残されたギリシア式の神殿は、保存状態も良く、古代の建築様式だけでなく、古代のセジェスタの民の生活をも現在に知らせてくれるような感じがします。
公共の交通機関を利用する人は、鉄道かバスを利用することが出来ます。これらの機関を利用するときは、どちらかというとトラーパニを起点にした方がよいでしょう。鉄道、バスともにそれ程本数は充実しているわけではないので、事前にしっかりと調べておいた方がいいでしょう。 ちなみに、鉄道を利用する時はセジェスタ駅から遺跡までは徒歩で2〜3km、バスの場合は遺跡まで直接行ってくれます。
この二ヶ所が、セジェスタ見学の全てといえば全てといってしまっても過言でないくらい、セジェスタはこじんまりとしたところです。 ギリシア神殿 モンテバルバロ山の斜面、標高305mに現在残されている神殿は、ドーリア式神殿の中でも保存状態が良く、かつ代表的な作例のひとつに数えられているギリシア神殿です。この神殿は、紀元前5世紀に建造されました。 セジェスタが繁栄した後、他民族の攻勢やその後の大地震により、神殿そのものは崩れてしまいましたが、近代の修復工事により周囲の円柱36本が建てられ当時の姿を今に伝えています。現在ではその円柱も欠けたりしているために、ゴツゴツした印象がありますが、太陽光を受けて黄金色に輝く神殿を見ていると、創建当時の美しい姿を思い起こさずにはいられません。 神殿へは、駐車場の奥の細い階段を登っていくと着くことが出来ます。すでに駐車場からは、神殿の壮大な姿を望むことが出来るので、神殿への道は容易に見つけることが出来るでしょう。 古代都市 古代都市は、バルバロ山の山頂標高431mに広がっています。多くの人はこの山頂の古代都市へ、セジェスタ観光の中心となる売店から出ている、山頂を往復するバスを利用しています。このバスのチケットは、売店で売っているので、利用する場合は予め購入しておく必要があります。ちなみにこの売店、セジェスタで食事が出来る唯一の場所なので、結構繁盛しています。 山頂へは必ずバスを利用しなければいけないということはなく、歩いていくこともできます。それほど多くはありませんが、歩いて山頂へアプローチしている人もいますので、体力があまっている場合や、バスの発車を待ちきれない場合には試してみても良いでしょう。 さて、山頂バス停を降りて歩くと、そこは既に古代都市の遺跡となっています。点在する遺跡の中でも一番の見どころは劇場跡でしょう。ココは斜面を利用して作られ、観客席からはバルバロ山麓に広がる丘陵地帯とその先に広大な海までをも見通せます。これらの景色を舞台装置の一部として借景するなどということは、その基本的劇場コンセプトの雄大さを象徴しているようです。漆黒の闇の中、松明に照らし出された舞台とその先に月明かりに照らし出された海は、さぞかし当時の観客の気分を高揚させたことでしょう。 山頂には劇場だけではなく、住居跡も点在していますが、その中でも一際保存状態の良い城(Castello)と位置付けられている住居跡が残されています。この住居跡の案内図を見ると、居間、キッチン、ワインセラー、などの部屋に加えて、階段跡なども記されており、二階建て以上の大きな建物であったことが伺い知れます。山頂付近に、これだけの建物を建てるということは、それだけ労力もかかるわけですから、この建物を建てた当時、如何にセジェスタの町が栄えていたかということを伺い知ることが出来るでしょう。 また、劇場からの風景でふれたように、山頂からの景色は非常に良いのですが、その中でも上から眺めるギリシア式神殿などは、他のところではなかなか見ることは出来ないでしょう。必見です。 |