サレルノは、アマルフィ海岸の最も東側に位置しかつ最も大きい都市です。それもそのはずです、サレルノはカンパーニア州サレルノ県の県庁所在地です。そのため比較的大きな町なのですが、観光的な視点からすると見処がそれ程多くないために、この都市を訪れる人もそれ程多くないようです。
しかし、他のアマルフィ海岸沿いの都市と同様にその歴史は古く、11世紀〜12世紀にかけての絶頂期にはその勢力も絶大で、各地からの戦利品がその当時の様子を語ってくれます。また世界最古の医学学校があることでも知られており、当時の最先端であったことがここからも伺えます。
サレルノの見処
サレルノの見処は、旧市街の街並みと、海岸沿いの海といった感じです。この海沿いの海岸通りは広くさらには公園が広がっているので、散歩をしたり休んだりするのに快適です。
また旧市街はメルカンティ通りという旧市街の目抜き通りを中心として広がっています。この通りは古い街並みの面影を残しており、更にサレルノの見処がこの一帯に集中しているので、観光には欠かせないとおりです。因みに上の写真は、メルカンティ通りの始点となるアレキ門(Porta di Arechi)です。
ドゥオモ(Duomo)
ここのドゥオモはちょっと変わった感じです。何が変わっているかというと、多くの町のドゥオモはそのファザードの前にドゥオモ広場のような開けた空間を持っているのですが、ここはそのような広場のような空間があることはあるのですが、それ自体が建築物の一部のようになっているのです。
一番始めにライオンの門(Porta dei Leoni)と呼ばれる門があり、ドゥオモにはいるためにはこの門をくぐります。そしてこの門をくぐると、そこには前庭が広がります。この前庭がまた不思議な空間で、四辺のうち二辺が円柱によって支えられる半円形のアーチが続いているのです。そして庭の真ん中には円形の水槽が置かれています。因みにこの水槽はパエストゥムで出土されたそうです。
この前庭の正面にはドゥオモのファザードがあります。そしてこのファザードで注目するところは、中心の扉口の青銅製の扉です。これは11世紀にコンスタンティノーブルによって鋳造されたものなのです。そしてこのファザードの右側の方には12世紀に建築された鐘楼がそびえ立っています。この様な鐘楼はアマルフィ海岸一帯で良く見ることが出来るのですが、実はここがモデルになっているそうです。
またドゥオモの隣には司教館(Episcopio)があり、ここには略奪してきた円柱で作ったアーチがあります。この様なものを見ると、当時のサレルノの繁栄を感じます。
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