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ナポリ
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Napoli

 「Vedi a Napoli e poi muori.(ナポリを見てから死ね)」。ゲーテをはじめ様々な人々が、かつて王国の首都であったこの都市を賞賛しています。
 この街は、ギリシャ時代のネアポリスから始まり、ノルマンのアンジュー家やアラゴン家などの王国時代、スペイン統治の時代、ブルボン家の時代などを経て現在のイタリアに統一されており、ありとあらゆる時代を経験してきたイタリアでも屈指の歴史的な街であるといえます。実際にナポリに来れば様々な時代を、一同に感じることが出来、感動ものです。治安の悪さから嫌煙されがちですが、いってみる価値は十二分にあります。
 ナポリといえば、ピッツァを思い出される方が多いと思います。ナポリ風のピッツァといえば、北部のパリパリっとした薄いピッツァとは異なり、モチモチっとしたやや厚手の生地のピッツァが特徴で、有名なだけありかなりおいしいです。おすすめは一番ベーシックな、トマトソースとバジリコとモッツァレラで作った、Marghelita(マルゲリータ)でしょう。また、ピッツァ以外にも港町のナポリでは、魚介類料理がおすすめです。新鮮な魚介類料理は、日本人の舌にもばっちりあいますから。そしてその新鮮な魚介類にあっさりした白ワインの相性が最高です。それと、肥よくな大地で育った野菜がこれまた最高です。トマトはその代表格ですが、それ以外にもたくさんの野菜が作られています。これらの野菜を使ったMinestra(ミネストラ)やZuppa di Verdure(野菜スープ)は試してみる価値ありです。
 周辺にも数多くの観光地が点在しており、ここを拠点にして観光することもできます。

ナポリの治安
 「ナポリは危険」と思われる方って多いのではないでしょうか。残念ながらある意味ではあたっているようです。ただし、全てが危険なわけではありません。『華美な格好をしない』『バックを不用心に持たない』『荷物から目を離さない』など、一般的にいわれているようなことと、危険といわれている地帯に入りさえしなければ、ある程度の危険を回避することは可能です。私の情報収集した危険地帯は【1.スペイン地区】【2.中央駅より東側】【3.ガリバルディ広場】などです。特に1,2には行く必然性はないので行かない方が無難でしょう。ガリバルディ広場はバスを乗ったりするときには通りますし、人も多くいるので十分に注意していれば先ず大丈夫でしょう。ここに上げたところ意外にも、例えばウンベルトI世大通りなど危ないといわれている地帯は沢山あります。好奇心も大切ですが、危ない雰囲気を感じるようなところには行ってしまったら、すぐにでも引き返すつもりでいた方が無難なようです。

デクマヌス
 デクマヌスとは、ネアポリス時代の都市を東西に走っていた三本の幹道のことです。一番北に位置する「上のデクマヌス」が、今日のサピエンツァ通り(Via del Sapienza)−ピサネッリ通り(Via Pisanelli)−アンティカリア通り(Via dell'Anticaglia)−サンティ・アポストリ通り(Via Santi Apostoli)に重なっており、「中央のデクマヌス」は今日のトリブナーリ通り(Via del Tribunali)、そして一番南の「下のデクマヌス」がスパッカナポリ(Spaccanapoli)に重なっています。そして、この一帯には現在でも多くの見処がありますので、それらの中からいくつかをを紹介して行きます。
 ドゥオモ(Duomo)は、ナポリという大きな街に見合ったとても大規模な聖堂で、更にこの聖堂の名を広めているのが「聖ジェンナーロの血液」です。普段は固まっているこの血液が、血の溶解の祭りの時に液体となるのです。何でも血が液体化しないと、ナポリに良くないことが発生するとの言い伝えがあるとか。この聖ジェンナーロの血液は、ドゥオモ内部を入って右側にあるテゾーロ・ディ・サン・ジェンナーロ礼拝堂(Cappella del Tesoro di San Gennaro)の奥に保管されています。この礼拝堂もとにかく「豪華」で、一見の価値があります。また内部左側にはサンタ・レスティトゥータ教会(Santa Restituta)があります。また、内部は木製の天井で覆われており、ここにはめ込んであるカンバス画も荘厳ですので、是非内部に入ったら上も見上げてみてください。
 ドゥオモのそば、トリブナーリ通り沿いに、サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会(San Lorenzo Maggiore)はあります。私達がいったときは、残念ながら内部にはいることが出来ず、しかたないので、教会の下にある、ギリシャ-ローマ時代の遺跡の発掘現場だけを見てきました。ここへは教会の回廊から入ることができます。遺跡発掘現場の内部はそれ程大きくはありませんが、地下に埋もれた当時の街の一部を垣間みることが出来ます。
 サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会の通り向かいには、サン・パオロ・マッジョーレ教会(San Paolo Maggiore)があり、そしてその左脇に、古代ネアポリスへの入り口「ナポリ・ソッテッラネア(Napoli Sotterranea)」があります。古ぼけた入り口を入り、階段を降りていくと、いよいよ地下都市の始まりです。見学はグループ単位で行い、そしてそのグループにはそれぞれガイドがつきこの地下都市を案内してくれます。第二次世界大戦中の防空壕としても利用されていたり、地下の水道としても使われていたり、また地下の水源として使われた泉(現在は天然水ではなくデモンストレーションとして水が蓄えられている)があったりと、様々な様子を見ることが出来ます。時にはローソクを持って、人1人がやっと通れるようなところを進んだりと、探検気分が味わえます。一度中にはいると1時間以上はでてこれませんが、是非一度古代都市の空気を感じに足を運んでみてはいかがでしょうか。
 スパッカナポリの方で行ってみたいところは、サンタ・キアーラ教会(Santa Chiara)でしょう。教会内部から行くクラリッセの内陣席(coro delle Clarisse)や一旦教会から出てからいくクラリッセの回廊つき中庭(Chiostro delle Clarisse)は見逃せません。またスパッカナポリはここ自体歩いているだけでも楽しいかもしれません。下町っぽい雰囲気の中、色々な店がところ狭しと並んでおり、本当にナポリの熱気を感じます。またスパッカナポリから西の方を見ると、真っ直ぐ延びた通りの先が、ヴォメロ地区の方まで見ることが出来、なかなかいい眺めです。

サンタルチア港とその周辺
 高級大型ホテルが立ち並ぶサンタルチア一帯は、人が多くにぎやかな一帯でもあります。海岸通りに店を出すレストランでは食事時には人々で大賑わいです。また海を見ながら散歩する人、広い歩道でジョギングをする人など、それぞれが思い思いに楽しんでいるようにも見えました。
 卵城(Castel dell'Ovo)は、サンタルチア港のシンボル的存在。現在では中を見学することは出来ませんが、かつての王の居城だけあり、その姿は堂々としています。中には入れませんが城の周囲には多くのレストランが店を構えているので、おなかを満たしに行くだけでも楽しいかもしれません。
 卵城にかわって王の居城となったのが、サンタルチアから少し街の中心方向に行ったところにある新城(Castel Nuovo)です。この城は周囲を五基の塔によって囲まれており、かつてはこのうちの一基の塔(海側の市庁舎広場よりのヴェレッロの塔)の上にはナポリ国王の旗がはためいていました。この塔とは反対側の二基の塔の間には城への入り口アルフォンソの凱旋門(arco di trionfo di Alfonso)があります。このすばらしい門は上下二層のアーチからなっており、下層にはアルフォンソの勝利をたたえる浮き彫りなどが施されています。門のブロンズ製の扉(ちなみに扉のオリジナルは内部の美術館に収蔵されています)をくぐると中庭に出ます。内部では市立美術館、パラティーナ礼拝堂(中庭の写真の右の方、上部にバラ窓が見えます)やバローニの間(中庭の写真の左の方、階段を上った上部にあります)を見ることが出来ます。このバローニの間の天井はとてもユニークな装飾です。
 新城から通り沿いに進み、ナポリのオペラの殿堂であるサン・カルロ劇場(Teatro San Carlo)や、ウンベルト一世のガッレリア(Galleria Umbert 1)を通り過ぎると、プレビシート広場(Piazza del Plebiscito)にたどり着きます。このとても広い広場には王宮とサン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂(San Francesco di Paola)が面しており、そしてこの二つの大きな建築物のために、半楕円形の形をしています。王宮側はファザードに沿って直線的になっており、聖堂側は円柱列によって楕円形となっているのです。本当に広くここで野球なんて余裕で出来そうです。
 王宮(Palazzo Reale)の内部には、王宮住居博物館(Museo dell'appartamento storico di Palazzo Reale)があり、王族の華麗な生活を垣間みることが出来ます。入り口となる豪華な階段を上ると、とにかく絢爛な室内装飾の部屋が続く中で、第4間第8間は必見です。部屋以外にも、王の礼拝堂(Cappella Reale)は必見です。主祭壇には金箔を張った銅の縁に貴石ををはめ込んであるのです。王宮内のはこの博物館以外にも、国立ヴィットリオ・エマヌエーレ3世図書館(Biblioteca Nazionale Vittorio Emanuele III)や王宮庭園などを見ることが出来ます。

考古学博物館とカポディモンテ
 考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale)の建物自体は、16世紀に騎兵隊宿舎として建設され、17世紀には大学として利用され、そして18世紀にファルネーゼコレクションを始めポンペイやエルコラーノの出土品を収納するために、博物館として利用されるようになりました。内部は展示品のジャンルごとにいくつかのセクションに分かれており、とにかく見処の多い博物館ですが、そのいくつかを紹介してみます。
 先ずモザイク部門から一点、アレクサンドロス大王とペルシャ王ダレイオスの戦闘を描いているモザイク画をあげてみましょう。このモザイクはポンペイのファウヌス家(Casa dil Fauno)から発見されており、ポンペイを訪れるとこのモザイクが発見された部屋の大きな床面を見ることが出来ます。モザイク自体、縦3.42m・横5.92mとても大規模で圧倒されます。またここに描かれているアレクサンドロス大王はメディアでアレクサンドロス大王を表すときによく登場するので、どこかで見たことがある人も少なくないはずです。
 大理石彫刻部門からは、博物館を入ってすぐ右手の部屋に収蔵されている、暴君誅殺ハルモディオスとアリストゲイトン(Tirannicidi Armodio e Aristogitone)と、槍を持つ人(Doriforo)の二点と、一階奥の方に収蔵されているファルネーゼのヘラクレス(Ercole Farnese)と、ファルネーゼの雄牛(Toro Farnese)をあげることが出来ます。さて、これらの彫刻の詳しい説明はガイドブックに譲るとしましょう。
 一階には宝石部門もありここで見逃せないのが、ファルネーゼの皿(tazza Farnese)です。これは一塊の瑪瑙から作られた紀元前2世紀のアレクサンドリア美術の作品で、両面に綺麗な装飾が施されています。
 その他にも地下にはエジプトコレクションがあり、二階に上がると絵画コレクションなどの作品が数多く展示されていますので、是非足を運んでみると良いでしょう。
 カポディモンテの王宮(Palazzo Reale di Capodimonte)の中に国立カポディモンテ美術館(Museo e Gallerie Mazionali di Capodimonte)はあります。また美術館は広大な緑に囲まれており、市民の憩いの場となっているようです。さて美術館の内部は絵画の展示が中心となっていますが、部屋自体を調度品で飾りそのものを作品として見せている部屋もあったりと、様々な作品を楽しむことが出来ます。

ナポリのパノラマ
 ナポリの市街地のすぐそばに高台があるために、ここに登ると街中を一望することが出来ます。そしてそれは街の喧噪をも忘れさせるとても良い景色なのです。いくつかのビューポイントがありますが、今回は二ヶ所だけの紹介となります。
 メルジェッリーナ(Mergellina)の高台からは、港と市街地を一望することが出来、更にこれらの背景にはヴェスヴィオ山がそびえ立って見えるという絶好のパノラマです。いくつもの景色を同一方向でいっぺんに見ることが出来るとてもナイスなポイントです。ツアー客も観光バスを利用してこの高台にやってきているくらいです。地下鉄メルジェッリーナ駅から歩いたりタクシーを利用しないといけませんが、その価値はあるでしょう。夜になると今度は夜景がすばらしく、地元カップルのデートスポットとなっているようです。
 ヴィットリオ・エマヌエーレ大通りからのパノラマも楽しめます。更にケーブルカー(Funicolare)を使って更に上のヴォメロ地区に行くと、更にすばらしいパノラマを楽しむことが出来ます。

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